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Nuxt メジャーバージョンアップで 502 が再発した話 ― sed パッチが効かなくなる罠

Nuxt のメジャーバージョンアップ後に ALB 502 が再発。原因はビルド成果物の構成変更で sed による keepAliveTimeout パッチが当たらなくなっていたこと。修正と今後の再発防止策をまとめます。

2026年2月16日2 min read
Nuxt
AWS
ALB
Troubleshooting

TL;DR

  • Nuxt のメジャーバージョンアップ後、以前解消済みだった ALB 502 エラーが再発。
  • 原因は .output/ 配下のファイル構成が変わり、CI/CD で仕込んでいた sed による keepAliveTimeout / headersTimeout の書き換えが効かなくなっていたこと。
  • sed のパスとパターンを新しい構成に合わせて修正し、502 は再び解消。
  • 今後はビルド成果物の構成変更に気づけるよう、起動時に server オブジェクトの該当プロパティを検証する仕組みを導入予定。

前回までのあらすじ

以前の記事で、ALB の Idle timeout = 60s に対して Nuxt (Nitro) が生成する Node サーバーの keepAliveTimeout がデフォルト 5s で短すぎるため、ALB がコネクションを再利用しようとしたタイミングで Node 側が先に切断 → 502 が出る、という問題をまとめた。

対策として、CI/CD のビルドステップでビルド成果物に sed を当て、server.listen の直前に keepAliveTimeout / headersTimeout を挿し込む方法で運用していた。

sed -i -e "/server\.listen/i server.keepAliveTimeout = 62 * 1000\nserver.headersTimeout = 65 * 1000" \
  .output/server/chunks/nitro/nitro.mjs

何が起きたか

Nuxt のメジャーバージョンアップを実施してデプロイしたところ、ALB の 5XX メトリクスが上昇。CloudWatch で確認すると 502 Bad Gateway が断続的に発生していた。

アプリケーションログ自体にはエラーが出ておらず、ALB のメトリクス側だけで 502 が観測される ― 以前とまったく同じパターンだった。

原因

ビルド成果物を確認したところ、.output/server/ 配下のディレクトリ構成が変わっていた。

以前の構成:

.output/server/
├── chunks/
│   └── nitro/
│       └── nitro.mjs    ← sed のターゲット
└── index.mjs

バージョンアップ後の構成:

.output/server/
├── chunks/
│   └── nitro/
│       └── nitro.mjs    ← server.listen の記述が消えている
└── index.mjs            ← server.listen がここに移動

sed のパターンマッチ (/server\.listen/) がヒットしなくなり、keepAliveTimeout / headersTimeout の挿し込みがサイレントにスキップされていた。sed は対象行が見つからなくてもエラーにならないため、CI/CD は何事もなく成功していた。

対応

まず findserver.listen の現在位置を特定。

find .output/server -name '*.mjs' | xargs grep -n 'server\.listen'

ヒットしたファイルに対して sed のパスを更新し、パッチが当たるように修正した。

加えて、パッチ適用後に対象の値が実際に書き込まれているかを検証するステップを CI に追加。

# パッチ適用
sed -i -e "/server\.listen/i server.keepAliveTimeout = 62 * 1000\nserver.headersTimeout = 65 * 1000" \
  .output/server/index.mjs

# 検証: 書き換えが入っているか確認
if ! grep -q 'keepAliveTimeout' .output/server/index.mjs; then
  echo '[ERROR] keepAliveTimeout patch was not applied!' >&2
  exit 1
fi

echo '[patch] applied keepAliveTimeout tweak'

これにより、仮にまた構成が変わってパッチが当たらなかった場合は CI が失敗するようになった。

今後 ― 起動時のプロパティ検証

sed によるビルド成果物への後付けパッチは、構成変更のたびに壊れるリスクがある。前回の記事でも注意点として触れていたが、結局メジャーバージョンアップで踏んでしまった。

今後は、アプリケーション起動時に server オブジェクトの keepAliveTimeoutheadersTimeout が期待値になっているかを検証するアプローチに切り替える予定。

// 起動後に値を検証するイメージ
const EXPECTED_KEEP_ALIVE = 62 * 1000;
const EXPECTED_HEADERS_TIMEOUT = 65 * 1000;

server.listen(port, () => {
  if (server.keepAliveTimeout !== EXPECTED_KEEP_ALIVE) {
    console.error(`[WARN] keepAliveTimeout is ${server.keepAliveTimeout}, expected ${EXPECTED_KEEP_ALIVE}`);
  }
  if (server.headersTimeout !== EXPECTED_HEADERS_TIMEOUT) {
    console.error(`[WARN] headersTimeout is ${server.headersTimeout}, expected ${EXPECTED_HEADERS_TIMEOUT}`);
  }
});

こうしておけば、パッチが外れたときにログで即座に気づける。監視アラートと組み合わせれば、デプロイ直後に検知して対応できる。

まとめ

  • sed によるビルド成果物パッチは手軽だが、構成変更でサイレントに壊れるリスクがある。
  • CI に検証ステップを入れて「パッチが当たらなかったら失敗」にするだけでも検知は改善する。
  • 根本的には、起動時にランタイムで値を検証する仕組みを入れるのがより安全。
  • Nitro 側で keepAliveTimeout を設定できる公式オプションが来るまでは、こうした防御的なアプローチを続ける予定。